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WB LIE Ⅱ-Ⅵ
「私は昔一人の友人を死に追いやってしまったの……、その友人の事を私は大好きだった。名前は菫、私の事を好いてくれていた。二人でよく遊んでいたわ。菫は内気な性格で多くの人と交わるのは苦手で社交性があるとは言えなかった」
確かに菫さんは黒川さんに似ているような気がする。『二人だけの生活』を望んでいる事から内向的な性格が窺える。
「私自身は友人も菫以外には何人かいて、そこら辺によくいるような女の子だった。でも菫とはなぜかうまが合い一緒にいる事も多かった。幼い頃は私もそれでいいと思っていた。ただ中学高校と時が進むうちに、これでいいのだろうかという気持ちが沸き上がって来たのよ」
里佳子さんが言うには菫さんは里佳子さんとばかり一緒にいようとしていて、それ以外の時は一人でいる事が多かったようだ。その事が里佳子さんを悩ませていたらしい。
「菫は私に依存していていたんだと思う……、そしてそれは私の接し方がいけなかったんじゃないかと思ったわ。菫といる時は常に二人だった。他の友達と一緒に何かをするという事が無かったの……」
菫さんが里佳子さんに依存するようになったのは自分に責任があると考えるようになったそうだ。そこで、この状況を変えなくてはならないと行動に出たのであった。この辺りを話す里佳子さんの表情は赤らんでいた。当時のその行動に対して後悔の念から気持ちが高揚しているのだろう。
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