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新しいフォロワーさん
俺は、松木健一郎、出版社勤務の27才の独身で、周りからは『マツケン』と呼ばれている。親だけは、何故か『ケン』と省略させて呼ばれているが、親から言わせるとあの超一流野球選手の『イチロー』に申し訳ないとの事だそうだ。
今日は、夏休みを取って、家の2階の自室で、アニメを見ながら、だらだらして過ごしている。
「ケン、ケン!」
「何、母ちゃん」
「ちょっと降りて来て…」
「めんどくせ…」
「それじゃ、夕飯抜きね…」
しょうがなくスマホを持って、自分の部屋から出て、1階に降りて、母ちゃんのいる台所にいった。
「夕飯のおかずの材料買って来ておくれ…」
「えー、外は超、あちーよ…」
「じゃあ、夕飯抜きね…」
「えー、わかったよ…何を買えばいいの?」
「ここに買う物を書いたから、メモを持ってお行き、はい、財布ね」
「了解、行ってきます~」
やはり外に出るとくそ暑く、足取りも重い、そんな時にスマホに電子音がなった、スマホを出して見るとSNSへのフォロー申請だった。
「誰だろ…マリン?…まあ、いいや承認するか…」
買い物を終わらせ、足早に家に帰りつくと買い物した物と財布を母ちゃんに渡し、2階の自室に戻り、エアコンをMAXにした。
また部屋でだらだらしていると、また電子音が鳴った。スマホを見てみるとダイレクトメッセージだった。開けてみると先ほどのマリンからだった。
「何だろう?」
『こんにちは、マリンと言います。マツケンさんのSNSを見ました。アニメすごーく詳しいですね。私もアニメ好きなので、いろいろ教えて欲しいのです。SNSは始めたばかりで良くわかってないかもです。』
「何か、女の子っぽいなぁ?…アイコンもオレンジ髪の女の子キャラだしなぁ~、とりあえず、返信をしとくか…」
『メッセージありがとうっす。アニメを愛でてるマツケンと申します。健全な男子で、オカチのモヤ嬢推しでふ。よろ~。』
しばらくするとまた電子音が鳴り、いいねマークが帰ってきた。その日はそれで終わり、あまり気にもとめませんでした。
次の日も休みで、相変わらず自室でだらだらしているとまたマリンからメッセージが入った。
『マツケンさん暑いですね。私は今日から夏休みで家で暇しているので、オススメのアニメを教えて欲しいのだ🐱』
「オススメアニメだと…アニオタなめてんなぁ」
マツケンはアニメの事になると熱くなり、周りが引くくらい語ってしまい、モテない理由のひとつになっている。ただ会社は出版社なので、マンガも出しているので『アニオタのマツケン』と呼ばれ、アニメ知識がいがいと重宝される場合もある。
『マリンさん暑いっすね~、オススメアニメっすかぁ?死ぬほどありますぜ、せめて、ジャンルを教えてくだせいっす!!!』
また電子音が鳴り、返信が来ました。
『マツケンさんごめんなさい💦アニメの大海から、オススメのアニメをひとつだけ教えて欲しいと言ってるものですものね。マリンは、もふもふ好きなのだ。もふもふがたくさん出るアニメのがいいなぁ🐶』
「なるほど、もふもふね…」
『もふもふっすね…今は「もふもふ行進曲」が有名ですが、10年前くらいに流行った「とっとこモフ太郎」が面白くて、もふもふっすよ🐹』
しばらくするといいねマークが来ました。
「マリンって、俺に気があるのかなぁ~」
マツケンは何か、嬉しくなり、その日以来、マリンを意識するようになりました。
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