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ラブレターを書くぞ!?
マツケンは、家に帰ると夕ごはんも食べずに自分の部屋へ一目散に入り、ノートにラブレターの下書きを書き始めました。
「マリンさん…お元気すっか?…マツケンは元気っすよ…一目見た時から…だめだ…出会いはSNSだった…マリンさんのオレンジ色の髪がステキっす!…いや、何か、違うなぁ~」
書いては消してを何回か繰り返しましたが、ラブレターなんて、書いたことがないので、しっくりくる文章は書けず、どうしたものかと考えていました。
急にひとつのアイデアが閃きました。そうするとある所に電話をかけました。
「もしもし、舞子くんすか?…お願いあるっす…」
「先輩、何ですか?」
「ラブレターなんて、書いたことあるっすか?」
「!?、…無いですよ~…」
「それじゃあ…女の子がもらって嬉しいラブレターの内容を教えてほしいっす」
「えー!!、もしかしてマリンさん宛のラブレターを私が手伝うんですか…先輩…最低!!!」
「この埋め合わせは、舞子くんが見たがってたマツケン秘蔵のアニメのDVDを貸すから…お願いっす!」
「えー…わかりましたよ~」
「それじゃあ、明日、内容考えて来て…」
「え~明日までですか…」
舞子が言い終える前に電話は切られていました。マツケンは今夜も絶好調です。そんな状態で寝たので、また夢の中にマリンさんが出てきました。
『マツケンさん、素敵なラブレターありがとう…』
『一生懸命に書いたっす…』
『マリンは…もちろんオーケーなのだ…』
『やったー!マリンさんが彼女になったす!…それじゃあ恋人同士のちゅーをするっす…』
マツケンが、唇をつき出している時に目が覚めました。マツケンはますます、マリンさんが彼女になってくれると確信しました。
この日もウキウキで会社に向かい、事務所に入ると舞子を探して、早速、肝心な事を聞きました。
「舞子くんおはようっす…例の書いてきたっすか?」
「先輩おはようございます…もう、…書きましたよ…」
「じゃあ、見せてくれっす」
「今はだめです…お昼ご飯の時に見せます…もちろん、お昼ご飯は先輩のおごりで…」
「わかったっす、じゃあ、マリンさんのパンでいいっすかあ?」
「先輩、今日は、ご飯が食べたいです!!」
「わかったっすよ…」
マツケンは、ラブレターの中身が気になったが、いつも通りに仕事に取りかかった。そして、お昼前になると編集長からパンの注文が入った。
「マツケン、今日はそのマリ何とかのパンを…買ってきてくれ?」
「マリンさんのパンっす、でも今日は舞子くんのリクエストで、お弁当っすよ」
「えー一緒に買ってきておくれよ~」
「だめっす、お昼は舞子くんと人生の打ち合わせっす、明日ならパン買うっすけど…」
「えー!、舞子ちゃんと人生の打ち合わせ??それじゃあ…しょうがない…弁当にするよ…はい、千円」
「了解っす!」
マツケンは編集長からお金を受け取ると会社近くに来ていた弁当販売のワゴン車まで、走って、弁当を三個買ってきました。
「編集長、買ってきたっす、はいどうぞ…舞子くんこっち来て…あれ、持ってきてっす!」
「わかりましたよ~」
また、空いている会議室で、弁当を食べながら舞子が書いてきたラブレター内容を読んだ。
『マリンさん 突然のお手紙失礼します!あの時、出会ったのは運命だと思います。………お付き合いしてください。松木健一郎』
「舞子くんいいっすねぇ~、さすがっす…」
「先輩、そのまま渡さないでくださいね、ちゃんと先輩の字で書いてください…」
「わかったっす!」
「先輩…DVDは?」
「今度、持ってくるっす…」
「…。」
そのあとは、マリンさんとしたいと事を延々と話始めた。舞子は渋々、相づちをうっていました。
マツケンは、仕事が終わった途端に帰り支度して、一目散に帰りました。家に着くまた自分の部屋に入り、舞子が書いたラブレターの内容を書き写しましたが、何度か字を間違えて、書き直しました。
夜になり、くつろいでいると電子音が鳴り、マリンからメッセージが入りました。
『マツケンさん、こんばんは「崖から落ちたポロ」見ました。ちっちゃいお魚さんがチビッ子になり活躍して面白かったのだ!男の子のチビッ子もかわちいでした♥️』
マリンのコメントの最後にハートマークがついてました。
「ハートマークっす?!マリンさんも積極的っすねぇ~」
そして、マリンに返信をしました。
『マリンさんういっす!、ポロは魚の子で人間の女の子になりたかっす、男の子と仲良くなりたかったす、俺もそうっす!!明日はサプライズが待ってるかもっす、よろ~』
マツケンは、マリンさんに返信したあと、明日、ラブレターを渡す決意をしました。その夜は緊張して、寝れず、寝ては覚めの繰り返しでした。
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