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年のわりに世捨て人のような落ち着きがありながらも、こういうピュアな一面もある。
そのアンバランスさが魅力ある雰囲気を醸し出していたのだろう。
だから、高崎先生とやらも、彼女から離れがたかったのに違いない。
この人、ウェディングドレス似合ったろうな。
長い黒髪と白い肌が白いドレスによく映えて。
そんなことをぼんやり考えていたとき、允が言った。
「……綺麗だ」
え?
「……と、思う」
断言してくださいっ、と思ったが、俯き、落ち着かなげに言う允には、これが精一杯だと知っていた。
莉王は、まっすぐ允を見上げて微笑む。
「ありがとうございます」
允はまた目をそらしてしまったが、その表情がなんだか可愛くて笑ってしまった。
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