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「せっかく、お義母さんたちが送り出してくれたのにっ。
せっかく、卯崎さんが準備してくれたのにっ。
せっかく、みんなが来てくれたのにっ」
明日も結婚式があるのに、教会でやりたかったという私のワガママをみんな聞いてくれた。
「城ヶ崎さん殺すのなら、後にしてっ」
「はっ、はいっ」
座り込んだままの女は、慌ててそう返事をしてきた。
「こっちおいで」
とやさしく忍が彼女に手を差し伸べ、外に連れ出す。
莉王は動きやすいよう、たくし上げていたドレスから手を離すと、今、自分が殺せと言った城ヶ崎に向かって言った。
「すみません。
続けてください」
「す、すみませんでした……」
と城ヶ崎が謝ってくる。
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