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莉王は、まだ盛り上がっているみんなの向こうに、真那斗の姿を探してみた。
「真那斗、来なかったな……」
と呟くと、忍がスマホをポケットにしまいながら言う。
「来たくなかったのはわかるんだけどさ。
でも、そこで引くから、あいつ、駄目なんだよな~。
きっと用事があったとか言い訳しながら、酔って二次会にやって来るよ」
このあと、教会に来られなかった友人たちも交え、少し呑むことになっていた。
なにがどう駄目なんだろう、と思っている莉王の横で、潮が、
「あっ、あんた、ブーケ投げてないっ」
と言い出した。
むんずとブーケをつかんでくる。
「今日、いっぱい写真撮ってあげたから、私のものよね」
「あっ、潮さんずるいっ」
と後輩の女の子たちが声を上げる。
「みんなでジャンケンしましょうよっ」
すると、近くに居た城ヶ崎の母まで、
「では、私も参加させてください」
と言い出した。
笑顔だ。
「それなら、うちにも、まだ嫁にいっていない孫がいるっ」
「あんたの孫、中学生じゃろうがっ。
うちなんか、まだ嫁にいっていない娘がおるぞいっ」
何故かじいさんたちまで参戦してきた。
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