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なんだろ、と思いながら開けると、中には婚姻届が入っていた。
允の署名だけではなく、証人欄も埋まっている。
及川たちの名前があった。
「さあ、書け」
と允が言う。
机の上に婚姻届とボールペンと朱肉を置かれた。
あまりの段取りの良さに、なにかの詐欺みたいだ……と怯えながらも、拒否するのも怖いので、サインし、印鑑を押した。
允は事務的にそれをしまいながら言う。
「よし、これで晴れて、夫婦になったな」
違うよっ!?
と思ったが、なんだか拒否する理由を見失い、そのまま允は泊まっていった。
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