結婚前夜

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 翌朝、やはり寝不足だったが、意外に肌の調子は悪くなかった。  莉王が洗面所で鏡を覗き込んでいると、後ろを通った允がそんな莉王を見て笑う。  二人だけで朝の支度を一緒にしていると、夫婦って感じがするな~。  そう思ったそのとき、けたたましく莉王のスマホが鳴った。 「莉王ちゃんっ。  なにしてるの。  早く来てっ。  今日は貴女は早めに来てって言ったでしょっ。  和装なんだからっ」  由莉子が慌てている。  おおっと、そうだった、と莉王も慌てたとき、允が、 「もう戸締まりはすんだぞ」 と言ってきた。  黙っていると、 「どうした?」 と訊かれる。 「いや、今、いい旦那さんだな、と思って」  こんなことでか!? という顔をされたが、こんな細かいことこそ大事な気がする、と莉王は思っていた。
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