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依頼を引き受けたのは俺だが、仲間の制限はねーからな。
「王女様がご出産されたのに、大変な事になりましたね…」
ワタルが節目がちにそう言ったところで、もう教会だ。
走り出して、直ぐにワタルとゲンタに会ったからな。
「仕方ねー。リスティナさんに診ててもらうさ」
「誰に診ててもらうんですって?」
俺は出入り口のドアも開けっ放し、リスティナさんにも何も言わずに飛び出して行っちまったのを思い出した。
見るとリョウを介抱してるリスティナさんがいる。
「悪りぃ、リスティナさん。グラカンドを連れ去った男が城の方へ行くのを見かけたんだが見失っちまった」
「お城の方と言うと、高級住宅街の方かしら?グラカンドを連れ去って…どうするつもりなの…」
リスティナさんの表情が曇った。
無理もねー。
俺だってカスミの時がそうだった様に、ミヤビがもし連れ去られても同じ位、辛いからな。
その時、リョウが身じろぎした。
「うーん!よく寝たあー!…って、アレ?僕、どうしてこんな所で寝てたんだろー?」
リョウは上半身起き上がったところで、そんな寝ぼけた事を言う。
「覚えてねーのか?リョウ」
俺はしゃがんでリョウと目線の高さを同じにした。
「うーん…あ!そうだ!」
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