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2人とも、俺等が近づいて行くと、持ってたヤリを構えようとして…俺が勇者だって見える距離になると、城門を開城させる。 「勇者様、お勤めお疲れ様です!」 「そう思うんなら、代わってくれよ」 「勇者様!なんでしたら、火の魔法をかけましょうか?そしたら、疲れも吹き飛びますよ」 ワタルが隣で口だけ笑ってるが、目が座っていた。 「いや、いい」 「王が2階でお待ちです!」 兵士のその言葉に見送られる形になって、俺等は城の中に入った。 「勇者様、階段はこちらです」 俺が城の中を探検しようとすると、ワタルが先手を打って、目の前の階段を示す。 「ワタル、この広い城ん中、探検する気は起きないのか?本棚に珍しい本が混ざっているかもしれねーぜ」 「はい、僕は書庫で待ってますから、勇者様は王様にお会いしてきて下さい」 はあ? 俺は確かに勇者だが、そんなんって有りか? ワタルは何喰わぬ顔して、近くに本棚が並んでる書庫が見えるが、そっちへ向かって行く。 勇者って、もっと自由になんでも出来ると思っていたが、これは王に会わないと何も出来ねー状況か。 俺は仕方なく階段を上った。 2階は既に王のいる間になっていて、兵士が左右にズラリと並んでいる。 その先に2つの王座が在った。
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