1章 ぼくのうた

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過去から吹く風、冷たくて                もう全部嫌になって 灰の空すら睨んで歩く 名前も知らないバス停で 迎えに来たよとバス止まる 暖かさが嬉しくて ぼくはバスに飛び乗った どこへ行くのか どこまで行くのか なんにも知らない ぼくみたい 雪降る道の真ん中を わざとみたいに歩いてた 世界はぼくのものみたい 世界に誰もいないみたい 白い足跡、一人分 冬の風だけ撫でゆく髪 暖かい手は 頬笑みは 過去に拐われたまま ぼくは迷子
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