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一人っ子にとって、子どもの頃の友達なんてたかが知れている。
友達がいない子ども、何らかの理由で友達に会えない場合は、一人で遊ぶしかない。
昔の遊びである「あやとり」なんていい例だ。一人で完結されるものであり、何かしらの紐と手さえ生えていればできるため、よく遊んだものだ。
しかし、あやとりには「二人あやとり」というものがある。こればかりはもう一人の手がないとできない。
幼いながらに私は試行錯誤した。床においてみたり、親に頼んだり。あまりにしつこいと親は「やめてくれ」といわんばかりの嫌な顔をする。
私は子供心ながらに気を遣い、親に頼むのは避けていった。
そして最終的に行きついた先は、イスである。背もたれの飛び出ている部分をうまく使って……傍から見たらなんて可哀想な光景だろうと思うだろうか。
はたまた世の一人っ子は共感してくれているだろうか。
そんなことを考えながら、イスと二人あやとりをする自分を思い出して嘲笑するのだった。
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