【7】怪物と沈黙

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「うげぇ気持ち悪っ……こんなになったの久々だなぁ……」  街の片隅で、ツキは顔色を悪くして横になっていた。  周囲では「群れ」の数匹が当たりを見渡し、近寄る者がいないか警戒していた。最もペタルデスだけは、明らかに普段よりも動揺していたが。 「どうしよどうしよ。ツキ様死んじゃうよ。  大丈夫でしょ。死んじゃっても三回までは平気なんじゃないの? 」 「それは貴女だけですわ」  ベルベットがぴしゃりと言い放った。 「力の使い過ぎです。回復には人間の肉を食べるのが一番ですが……喉を通るかどうかが気になりますわ」 「うーん、正直言って、しばらく肉なんて見たくないんだけど……食べなきゃ死ぬんじゃ仕方ないよなぁ」  ツキは小さく唸りながら答える。 「じゃあじゃあ、ボク達で取ってくる‼︎  どんなのがいい? 子供? おじさん? それとも大人のお姉さん? 」 「柔らかい子供がいいだろう。適当に見繕って来い」  アイオネルの提案に、ペタルデスは「はぁい」と答えた。  そして元気よく足を動かしながら、人の住む場所へと駆け出した。  ウゥゥゥゥ……  そんな彼女を見つめる視線があった。  黒い体の、小柄な獣であった。
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