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すると、教師は黒板の横まで椅子を持っていって、足と腕を組んで座り、眠ろうとし始めた。
「いやいやいや、先生!待ってください!」
焦った様子で鋭いツッコミ。それに対して奴は迷惑そうに眼を開いた。
「…んだ?」
「あの、せめて先生のお名前だけでも…」
「あ~言ってなかったか?」
「はい…」
別に名前どうでもいい、そんなことより教師がそんなんでいいのかと、誰も茶々は入れない。
「俺は、飯田竜也(いいだりゅうや)。教師だ。英語を教えてる。これでいいかよ、委員長。」
「はい、ありがとうございます。ゆっくりしていてください」
「ん~」
手をひらひらさせて、今度こそ寝始めた。やべぇぞこいつ。
「えっと。じゃあまずは先生が寝てしまったので、配る物だけ分担して配りましょう。」
と、教卓に置かれていた書類の束を見て、一番前に座る人たちに協力を仰いだ。あの教員が何で起きて、いつ怒るかわからないので、渋々と従う輩やギャルども。奴らが大人しくなるなら、あれが担任でよかったな。
一通り用紙を回し終えたところで、その間黒板に何やら書いていた委員長が話し始めた。
「えっと、じゃあまずは係と、委員会を決めちゃいましょう。掃除当番は———」
と、てきぱき役割を決めていく。上手く時間制限とかを設けていて、スムーズだ。細っちいくせにあいつやるなと思いながら、どれをやるか、前に座る華と相談した。
「私、英語係やりたいな。」
「えぇ……」
「だって、色々困ったらあの先生に何とかしてもらえそう!」
「そう思うのは、華だけだな。」
「そうかなぁ。ね、一緒にやらない?」
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