1,入学

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 すると、教師は黒板の横まで椅子を持っていって、足と腕を組んで座り、眠ろうとし始めた。 「いやいやいや、先生!待ってください!」  焦った様子で鋭いツッコミ。それに対して奴は迷惑そうに眼を開いた。 「…んだ?」 「あの、せめて先生のお名前だけでも…」 「あ~言ってなかったか?」 「はい…」  別に名前どうでもいい、そんなことより教師がそんなんでいいのかと、誰も茶々は入れない。 「俺は、飯田竜也(いいだりゅうや)。教師だ。英語を教えてる。これでいいかよ、委員長。」 「はい、ありがとうございます。ゆっくりしていてください」 「ん~」  手をひらひらさせて、今度こそ寝始めた。やべぇぞこいつ。 「えっと。じゃあまずは先生が寝てしまったので、配る物だけ分担して配りましょう。」  と、教卓に置かれていた書類の束を見て、一番前に座る人たちに協力を仰いだ。あの教員が何で起きて、いつ怒るかわからないので、渋々と従う輩やギャルども。奴らが大人しくなるなら、あれが担任でよかったな。  一通り用紙を回し終えたところで、その間黒板に何やら書いていた委員長が話し始めた。 「えっと、じゃあまずは係と、委員会を決めちゃいましょう。掃除当番は———」  と、てきぱき役割を決めていく。上手く時間制限とかを設けていて、スムーズだ。細っちいくせにあいつやるなと思いながら、どれをやるか、前に座る華と相談した。 「私、英語係やりたいな。」 「えぇ……」 「だって、色々困ったらあの先生に何とかしてもらえそう!」 「そう思うのは、華だけだな。」 「そうかなぁ。ね、一緒にやらない?」
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