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「はぁ、はぁ、は………は、早いね足。一緒に帰ろうと思って後ろ見たらもういないんだもん」
息を切らしながら、びっくりしちゃったと言って、横に並んできた。どうやら一緒に帰るために、下駄箱までダッシュできたらしい。本当にかわいい子だ。
「いいけど、校門までなら。」
「えぇぇ?!別れるの一瞬じゃん!そんなのってないよぉ」
「弟と妹、幼稚園に迎えに行くから。」
「へぇ~!まだ小っちゃいんだね。ね、私も一緒に付いて行ってもいい?」
押しが強いな、この子はと思いながらも、まあ、この子は危険じゃないし大丈夫だろうと、頷いた。
「わーい!ちっちゃい子供かわいいよねぇ、癒されるだろうな。今は何歳なの?」
「4歳。」
「えっと、それって二人とも?」
「そう。双子なんだよな。」
「えーいいなー!絶対可愛い」
「だよな!あたしは、世界一可愛いと思ってるぞ!」
「ついつい甘くなっちゃうよねぇ」
双子を想像してにこにこしている華。あたしもかわいいと思ってるから、同じように顔を緩ませる。すると、なんだか視線を感じる。
「笑ったらもっと可愛いんだなぁ…」
「はぁ?!」
何を言い出すんだろうこの子は。
「え、あ、今の声に出てた?」
「あーっと…シラナイ。」
「うあぁ聞こえてたでしょ!もぉはずかしっごめん!」
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