1,入学

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 その言葉を聞いて、美羽はぱあっと顔を輝かせた。 「ほんと!?やくそく!」 「うん!」  二人でにこにこと指切りを交わして、美羽と友羽は家に入っていった。家には中学生の妹、歩寧がいるから、見ていてくれるだろう。 「じゃ、送る」 「え、いいよ。悪いし。」 「ここら辺、治安が良くないの、知ってて言ってるか?」 「ゔ……」 「ん、いくぞー」  渋々理解したようで、華とまた歩き出す。15分くらい歩いたところで華の家に着き、家の雰囲気に納得した。そこは小さな賃貸の棟で、凄く古そうな佇まいだ。あたしんちはもっと酷いありさまだが、広めの一軒家だ。この棟の一室がこの子の家なんだとしたら、家族で住むにはとても狭いんだろうな。  そんなことを考えてるとき、ふいに華が話始める。 「今日、本当にありがとうね。すっごく楽しかった。」 「おう。あたしも。双子も喜んでくれて嬉しかったしな」 「あと、一番言いたかったこと。あの時、私のためにあの人に言ってくれて、ありがとう。私、やっぱり怖かったから…、柊那ちゃんがいてくれて本当に救われたんだよ」 「あれくらいなら、いくらでも追い払える。これから、気をつけろよ?」  あとなんかあったらあたしに言え、と伝えて、歩き出す。後ろでまた明日!とか聞こえてきて、少し心が暖かくなった。  4月。春の陽気はまだ続きそうだ。
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