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「おぉ。やれるもんならやってみろ?だが、今は何の時間かわかってるよなぁ?小篠」
「えーと……自習」
「バカか?俺が今、どうしてここにいるかわかってんだろ」
「英語なんかわざわざやる必要ないし。意味がない」
「……(ビキビキビキ)」
「別に授業の邪魔してないし、いいじゃん。」
「せめて教科書を開け!何の科目でもいいから!!」
「はー?他のは目が勝手に閉じる。無理だ。」
「……もういい。放課後、職員室に来い。」
「……チッ」
あたしの舌打ちが聞こえてしまったのか、凄い形相で睨まれてしまった。今なら肝試しの幽霊役に抜擢されても、誰も文句は言わないだろう。
「ひ…柊那ちゃん……本当に肝が据わってるね」
あいつ大したことないって、分かったし。そう言うわけにもいかず、適当に誤魔化す。
「まあ、な」
「飯田先生、昔は暴走族の幹部だったーとか噂されてるんだよ?」
「へぇーそーなのかー」
「うん……ってやっぱり興味なさそうだね」
そう苦笑いしながら、華は前を向いてまた授業を真剣に聞き始めた。本当に真面目で偉いなぁ…とか思いながら、あたしはまた求人雑誌を眺めた。
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