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すると、 8時になった辺りで教員がアナウンスを始めた。
「え~…、新入学生の皆さん。時間ですので、え~…着席してください。」
自由奔放な彼らが言うことを聞くわけもなく、むしろゴミやら誰かの眼鏡やらが飛ばされる始末。
「ひっ…」
御覧の通りすっかり怯え切ったアナウンスセンセーは引っ込んでしまった。さっさと式を始めちまえばいいのに、と内心イライラしつつ、呆れる。と、引いたと思ったら今度は別の教師がやってきた。
「おい、てめぇら。席に着け。」
「あぁん?…んだてめぇ?」
お決まりの如く輩は黙ってない。さっきまでのからかい半分で締まりのなかった空気が一気に冷える。やたら態度の大きな男性教員に、奴らの目が集まる。その目線はかすかに怒気をはらんだ。
「言う事もわかんねぇような猿しかいねぇのは、よーく分かった。一から説明すんのもめんどくせぇ。とりあえず、椅子に座れガキども。」
「んだとゴラァ!」
さっきまでの静けさが一斉に爆発し、わぁわぁと忙しない。
「うっるせぇ…ほんとにこいつら猿だわ。」
つい小さく声に出してしまうほどに、あたしはイライラが募っていた。いい加減にしてほしいところだ。早くこんな学校なんか抜け出して、可愛い双子に会いに行きたいんだあたしは!
怒りが耐えられなくなりそうになったところで、ボゴッと突然大きな物音がした。口の悪い教師が壁を殴ったらしい、ただでさえ壁にはひびが多かったのに、今ので崩れてしまっている。そして彼の額には青筋が浮かびあがっており、俯いていた面を上げた。
「言葉がわかんねぇか…?」
満面の笑みをした教員が壁から手を放すと、ガラガラと音を立てて、壁の破片が重力に従っていった。その様子をみて、その場にいた全員が生唾を飲み込む。それはあたしも例外じゃなく、あいつを怒らしたらやべぇと悟った。これから先、なるべく接する機会が無いことを祈ろう。
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