4人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
なぜ大輝が、あの一瞬だけリリーのことを見えるようになったのかは、分からないままだ。生死をさまよっている間は理の外側にいるのか、それとも神様がリリーを哀れんでくれたのか。しかし、リリーにとってはもはや、そんなことはどうでもいい問題だ。
なぜなら、リリーは気がつくことができたからだ。大輝が自分の事を見えなくなったとしても、記憶を失ったとしても、彼女にとって彼は、今も昔も変わらず、大切な人であるということが。
そしてどんな状況にあっても、リリーと大輝の間には、固い絆がほどけることなく、確かに存在しているということが。
最初のコメントを投稿しよう!