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「へえ、珍しい人間ね。……ああ、私の名前はリリー。この前産まれたばかりだから、まだ零歳なの。」
「僕は大輝っていうんだ。今六歳だよ。というか、妖精さんって、産まれてすぐに喋れるの? すごい!」
大輝は目を丸くして驚く。そう、妖精は産まれて二週間も経たないうちに、一通り意思疎通は図れるようになるのだ。平均寿命も五百歳と、人間よりも大分高い。
リリーはそれらを大輝に簡単に説明してあげると、彼はぴょんぴょん跳びはねて喜んだ。
「へえ、リリー達って凄いんだね! 風も、妖精さんなら皆、リリーみたいに吹かせることができるの?」
「ううん。妖精にも色んな種類があるのよ。パパが言うには、風を吹かせることができるのは、この国では私しかいないんだって。他の国にはもう少しいるみたいだけど。」
妖精は産まれた時には既に、何か一つ能力を持っている。しかし、水に関連するものや火に関連するものを持っている妖精は沢山いるが、風についての能力を持っている妖精は非常に珍しい。サファリやウッディも、リリーの能力を知った時には腰を抜かしていたほどだ。
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