ゲンソウ友情監視員

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ほんとうの友達ってなに? 親友ってなに? 小学校の時「うちら親友だよね」って 言った人間がいた 教室の移動も休み時間もいつも一緒だった でもいつの頃からかな もっとお気に入りの子を見つけたみたいで その子にばかりくっついて 私は放りっぱなし 使い古したおもちゃに飽きて 新しいおもちゃに飛びつくように その子は私から離れていった 「最近あたしと話してくれないの」と 私の噂を流しているらしいけど 嘘 あんたが私を遠のけたんじゃない その口、針と糸で縫いつけてやろうか 中学の時「うちら親友だねっ!」って 言った人間がいた 教室の移動も休み時間もいつも一緒だった でもいつの頃からか 受験を意識し始めた頃? 二人の間の学力の差が 壁を作った 私のほうが成績がよかった 向こうが勝手に劣等感を感じ始めて 中三の冬頃には その子は学校に来なくなった 私は一人黙々と過ごした 卒業式にもその子は現れなくて それきりずっと会ってない 高校の時「本当の友達だね」と 言った人間がいた そもそも本当の友達ってなんなのか 「電話帳の登録件数が100件超えたんだ!」 そう嬉々として語ってるけど 友達100人できるかなじゃないんだから 友達をまるで蝶の標本みたいにコレクションしてるみたいで 正直キモかった けれどその子は勝手に話を進めてしまって 私も一人はなんとなく嫌だから話を合わせてた 誕生日には0時きっかりにメッセージを送って 学校でもお祝いしてプレゼントをわたして でも私の誕生日をそいつは忘れていた 忘れたフリをして実はサプライズを用意してくれてるかもなんて 期待した私がバカだった けれどあの時は絶望と怒りに震えて 新聞紙をめちゃくちゃに破り捨てたんだよ あいつの歩いてる歩道にダンプが突っ込めばいいって 呪いをかけながら そいつはAO入試で不相応の大学に一発合格して なかなか進路が決まらなかった私にメッセージを送ってきた 「真っ先に知らせたかったんだ!」 てめえ何様のつもりだよ 宙ぶらりんの私を馬鹿にしてるのか マウント取りたいだけじゃねえか ふざけんな ブロックした そこで、この友情ごっこは終わり 何かにつけ貧乏くじを引いてきた人生です まあ、被害妄想もありますけど そう、バイトの休憩時間に言ったら 「もっと幸せになっていいと思いますよ!」 と、にやにやした笑顔で言われた 私のほうに手を差し出しながら でもその手は私を救うつもりなんてさらさらないことを 私は知ってる てめえ何様のつもりだよ ここでもマウントか 自分よりも不幸な人に憐れみの言葉をかけて 馬鹿にするのも大概にしろ その腕ごと切り落としてやりたい そして今すぐ世界が破滅すればいい 私がこれまでの友情ごっこと偽善者の自己満足を受けて学んだもの まずは人を疑え そして信用に足るかふるいにかけろ 人間を選別しろ 概念としての護身用の小型ナイフを いつも構えておくんだ ある意味 いい人生勉強だったかもしれないな
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