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スザンヌはただ愛されたい
「星子さんだ!」
近くでわあ、と小さく歓声が上がった。俺が振り返ると、丁度長い黒髪の美人がテーブルのすぐ横を通過していくところである。高校生離れした長身にモデル体型の美女、藤宮星子。この学園のアイドルと言っても過言ではない存在である。男子達は、恋する乙女さながらに頬を染めて彼女の方を見つめている。――時折、“是非とも踏んでほしい”とか“星子様が相手なら俺、抱かれる側でいい”とかなんとも微妙な呟きが耳に入るが、まあ聴かなかったことにしよう。
とびきりの美女であり、運動神経抜群、成績優秀と三拍子揃った彼女であったが。まあ性格は、そういうことなのである。
「ちょっと」
ギロリ、と彼女は唐突に、自分を見ていた男子の一人を睨みつけて言った。
「人の胸ばっか見てんじゃないわよ、この変態」
「す、すみません!」
「ばっかじゃないの。これだから男は」
――あ、相変わらずこっわ。
彼女はいわゆる“女王様”キャラなのだった。
いつも誰かに対してぷりぷりと怒ってばかりなのである。
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