23.ガールズ・コレクション

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 素敵な出会いがなければできなかったことだ。  今までと同じミルヴェイユではできなかったこと。美冬だからできたことだ。 「お! すげー! いいじゃん!」  バックパックにパーカー、ジャージ姿でバックヤードパス用のシールを太もものところに貼った槙野が美冬に声を掛けにきた。 「祐輔! いつ来たの?」 「今だよ。スタッフに入れてもらった」  ぺったりと貼ってあるシールはまるでデザインされているようだ。 「槙野さん、そんな姿すると若く見えますね」  にっこり笑ってそう言った石丸に槙野も笑顔を返す。 「見える、とはなかなか言ってくれるよな」 「それでもそのジャージとんでもない金額しますよね。その辺のやつじゃないでしょう?」 「金額は気にしてないが、行きつけの店で勧められたんだ」  槙野の着ているそれはブランドものだと思えばそんなものかな?ではあるが、ジャージと思うと確かにとんでもない金額ではある。  それでも着こなすことができるのが槙野なのだ。 「若作りしてるって思われるのはオッサンくさいわよ」 「ああ? 若作りなんてしてねーよ。オッサンとか言うなよ」  槙野はからかう美冬の額をピン!と指で弾いた。  他から見たらイチャイチャしているだけの二人だ。  そんな美冬も今日は動きやすい格好である。
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