3.や……やられるっ!

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3.や……やられるっ!

 後日、再度練り直した企画書を持って、美冬は『グローバル・キャピタル・パートナーズ』を訪れた。  できたら持ってきてくれればいいと言われていたので、そのまま受付に預けて帰ろうかとしたところである。 「あれ? えーっと……」  受付で立っていた美冬はそんな風に声を掛けられた。  美冬に声をかけたのは、先日の目つきの悪い……もとい、目つきの鋭い男性だ。  その鋭い眼差しが美冬には怖いし、高級スーツすら逆に怖い。ヤの付く自由業の人じゃないのかと思うくらいだ。彼は受付を通りかかって美冬を発見したようだった。 ──この人苦手なんだけど……。  プレゼンの時は腕を組んで『相乗効果が見えない』とか睨まれてとっても怖かったのだ。  その後も女性と言い争いのような感じになっていたし。こうして横に来られるとすごく背が高くて威圧感満載だし。  怖いから近づかないでほしい。 「企画書? 早いな」  こくりと美冬は頷いた。 「俺が見てやるよ」  そう言って男性が手を出すのに、美冬はついぎゅっと企画書を抱きしめて男性を見返してしまった。 「そんな顔するか……あー、だな。この前はクローズドのコンペだったか」  男性は胸ポケットに手をやった。  その目つきで胸ポケットに手はヤバい!  なにか得物が出てくるかもしれないっ! ──や……()られるっ! 思わず企画書を顔の前に持ってくる美冬だ。
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