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いつも人を睥睨するような彼の瞳が一瞬大きく見開かれた。
「するわって言ったのよ。契約婚、する」
「お前……なに考えて……っ」
「自分が言ったのよ! 責任とってもらうから」
チッと舌打ちの音が聞こえて、美冬はその大きな身体に息もできないくらいに抱きしめられた。
「全くお前は……。覚えてろよ」
え……と美冬が思う間もなく、情熱的に唇を塞がれる。
それは美冬が知っている今までのどんなキスとも違って、肉食獣のような彼にふさわしい食べられてしまうかと思うようなものだったのだ。
唇を重ねるだけなんてことは許さないと言わんばかりに遠慮なく、美冬の口の中に舌が侵入してきて、逃げてももう逃さないと絡ませられる。
口の中で擦れる舌の感触が妙に官能的で、腰がぞくんとするのを止めることはできなかった。
無理に奪うようにされているはずなのに、求めているかのように彼に身体を預けてしまう。
「だったら、お前が持っているその重荷は……俺にも渡してもらうからな!」
息を継ぐ合間に囁くように、けれど強く言われたその言葉は、キスで頭がぼうっとしてしまっている美冬には聞こえていなかった。
──な、なに……?今、なんて言ったの?
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