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けれども美冬がこれほどまでに嬉しそうなのだから、それは相当に良いことなのだろうと判断した。
それに自分の愛する人がとても嬉しそうなのは幸せだ。
今日のように、とても可愛いエプロン姿で出迎えてくれるのは、たまにのことなので槙野もテンションが上がる。
茹で上がったパスタを手製のボンゴレビアンコのソースと混ぜながら、美冬はカウンターの向こうにいる槙野にパスタをお皿に乗せて渡した。
槙野はテーブルセットしながら、他の惣菜を別の皿に盛り付けている。
そんな槙野にキッチンから美冬は話しかけてくるのだ。
なんでもないこんな日常が幸せなのである。
「今回は京都開催なのよ。いつもとても大きな会場を使うの。今回はどこか寺院だった気がするわ。寺院の庭とかでファッションショーをするらしいわね」
「寺院でファッションショー!?」
その組み合わせにさすがの槙野も驚いて、思わず手が止まる。
色々寺院でイベントをやることも最近は多いと聞いてはいるが、ファッションショーまで開催するとは思わなかった。
「コンサートとかもあるらしいものね。ブランド毎で違う寺院を使うらしいから街全体がファッションウィークになるんでしょうね。すごく楽しみだわ」
「そんなに大きな規模のものなのか。俺も行こう。ミルヴェイユの晴れ姿だからな」
「祐輔は忙しいんじゃないの?」
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