至楽のそ

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明日(みょうにち)の朝、余りにも遅い 短髪のサキの帰りを自ら迎えに行った所、 だ ぁ れ も 生きていない血潮を見つけた。 最初は愕然としていたが、次第に短髪の 生死がはっきりと覚えられるようになり、 周りをけんめいに探した。 直感。理解。短髪は、歿(ぼっ)した。 姉は発狂のしたい内心だったが、それよりも 弟の遺体を失いたくないと言う狂気が勝ち、 迷いなく眼臓を胃へ押し入れた。 大きい確率ではただの迷想だが、 姉はあの許嫁、タメが弟を殺したと感じた。 その場より離れ、口腔中のタメによる殺気を、 怒りを以って味わひながらタメの元へと向かった。 三時間のち、対面。長髪のサキはタメに殴りかかり、 弟殺しを嘆きながらいくつもいくつも拳をあてた。 負けじとタメもサキのくなかひ、まぐわいを 大口に出して抗いながら反撃した。 結果、二人…否、二匹は失血死した。 生者を辞めて了った二匹の顔には、 薄汚れの笑顔があった。
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