応援してやらないとな

2/4
前へ
/77ページ
次へ
そんなもどかしい距離をもっと縮めて恋人に! ……なんてな。 そうなりたいが、そこまで欲張らない。 知人寄りの友人から、親しい人寄りの友人ぐらいになれれば、それで今は十分だ。 一番怖いのは、嫌われて関われなくなること。 そのためにも、今日はがんばらねば! 食事も遊びに行く場所もオレが決めると主張したら、すんなり「どうぞ。」なんて千晶には返されてしまった。 昨日からさんざん迷って、科学博物館へ行くことに決め、それに合わせてファミレスも科学博物館の近くへ。 待ち合わせ場所からファミレスまで車で三十分。 会話が苦手だとしても、三十分くらいならオレの会話術でなんとかなる。 営業で鍛えたオレの口先。 絶対千晶を楽しませてみせる! ……それにしても…… 全く眠くならない。 普段、こんな朝の五時なんて早朝に目が覚めることなんてないのに。 「……はぁ…。」 二度寝はあきらめてオレはベッドから出ると、お茶でも飲みにキッチンへ。 リビングを通りキッチンへ向かおうとしたら、リビングのテレビが点いている。 義姉(姉さん)?母さん? 家の家事をしてくれている二人が頭に浮かんだが、テレビの前にいたのは、パジャマ姿の隆。 床の上で体操座りをして、真剣に最近お気に入りのアニメDVDを見ている。 ……小学生どころか、オレは保育園児と同じレベルか? きっと隆も楽しみで目が覚めたのだろう。 「隆、おはよ。」 「あっ!おいちゃん!おはよ!」 朝から元気いっぱいだな。 「またそれ見てるのか?」 「うんっ!」 オレと同じ薄茶の髪がふわりと揺れた。
/77ページ

最初のコメントを投稿しよう!

351人が本棚に入れています
本棚に追加