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オレはテレビから少し離れた場所に腰を下ろし、あぐらをかくと、オレの様子を見ていた隆が、とととっと寄ってきた。
そして、そうするのが当然のように、オレのあぐらでできた股の空いたスペースへちょこんと腰を下ろす。
ちまっと座った甥っ子が可愛くないわけがない。
「隆、今日は早いな。目が覚めたのか?」
「うんっ!みぃちゃんとはやくあいたいんだ!」
子供のなんと素直なことか。
「みぃちゃんのこと好きなのか?」
質問するまでもないが、まだ子供。
自覚なんてしてないのかもしれない。
「うんっ!すきっ!」
にぱっと笑ってオレを見上げる隆。
……ちゃんと気持ちは自覚していた様子。
「みぃちゃん、およめさんにしたいんだ。」
「お嫁さん?結婚したいってことか?」
「……だって、およめさんになったら、ずっといっしょにいれるでしょ?ぼく、みぃちゃんといっしょにいたいんだ。」
そりゃ、結婚して嫁に来てくれりゃ側にはいれるが……
……子供だもんな。
今は側にいたいって、純粋に思ってるだけなんだろう。
邪で不埒な男心なんて、今の隆には無いんだろうな。
その純粋さが羨ましいような、羨ましくないような……。
「……なら、みぃちゃんにも隆と同じ気持ちになってもらわないとな。」
そう言ったオレの顔をきょとんと見上げている隆。
「隆だけがみぃちゃんと一緒にいたいって言ったって、みぃちゃんにそんなつもりが無かったら、一緒にはいられないぞ?」
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