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「……みぃちゃんのきもち……」
隆はハッと何かに気がついたようで、見る見る泣きそうな顔になっていく。
「隆?」
「……おいちゃん……、みぃちゃんもぼくのことすきかな……?」
今は間違いなく好きだろう。
見ていてわかる。
あの子は隆のことが大好きに違いない。
でも、今の気持ちがずっと続いていくかどうかはわからない。
一時の感情なのかもしれないし、もっと惹かれる人に今後出会うかもしれない。
「たぶん、みぃちゃんは隆のこと嫌いじゃないと思うぞ。」
「ほんと!?」
「ほんと。でもな、気持ちっていうのは、ちゃんと言葉にして伝えないと相手にはわからないものだ。隆だってみぃちゃんの気持ちなんてわからないだろ?」
「……わからない……」
悲しげな目をした甥っ子の頭を、オレはわざと強めにガシガシっと撫でてやった。
「そんな顔するな。嫌いな相手と電話したり遊んだりしないだろ?本気でずっとみぃちゃんと一緒にいたいと思ったら、その気持ちを素直に言えば、みぃちゃんもちゃんと答えてくれるよ。」
……なんでこんな恋愛相談みたいな話してるんだ?
自分の恋愛もままならないっていうのに。
思わず苦笑いが浮かんでしまうが、話の流れで自然にこうなったんだ。
それに、隆がみぃちゃんと仲良くしてくれないと、千晶に関わる理由がなくなってしまう。
ここは全力で隆の恋を応援してやらないと。
「……隆、今日着る服選んでやるよ。みぃちゃんにかっこいいって言われたいだろ?」
オレの言葉に目を輝かせ「うんっ!」と大きく頷くと、隆はオレの膝の上から降りて、バタバタとリビングを出ていき……
両手いっぱいの服を抱えてリビングに戻ってきたのだった。
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