保育園児に先越された

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保育園児に先越された

子供を連れて遊びに行く。 ならば、動きやすい服がいい。 妙にゴテゴテした柄物は苦手なもんで、持っている服はモノトーンのシンプルなものが多い。 ……黒よりは白のほうが明るいか? それとも、ベージュやグレー系の落ち着いた色合いの方がいいか? 悩んだ結果、白いシャツに汚れても構わない普段から愛用しているデニムのパンツ。 隆と走り回ってもいいようにスニーカーをチョイス。 対する隆は『いつものおいちゃんとおそろいがいい!』と、デニム地のズボンを履きたがったので、そのズボンと活発な隆に合いそうな迷彩柄のシャツを選ぶと、大喜びで着替えをしていたっけ。 そんなオレと隆は、少し早めに待ち合わせの公園に来て、現在進行形で滑り台やらシーソーやらで遊んでいる。 ……オレも隆も楽しみすぎて、家でじっとしていられなかったのはココだけの話。 早く千晶に会いたい。 ……一目惚れって恐ろしいな。 こんなに好きだと思ったのは、今まで生きてきて初めてだ。 オレの運命の相手じゃないんだろうか? そんなセンチメンタルなことまで考えてしまう。 ……彼女のどこがそんなにいいんだろうか? 桜色の唇、どんぐりみたいなくりっとした目。 まん丸とは言わないが、どちらかと言えば丸顔。 どこにでもいるようないたって普通な顔立ち。 女子力皆無の服装。 頭の上に乗っかった肉まんのようなお団子に、ほつれた髪の毛。 改めて彼女の容姿を振り返っても、一瞬で惚れるような要素が見当たらない。
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