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……まず、あの服装だよなぁ…。
ヨレヨレのTシャツにデニムのパンツに何かしら羽織った姿が定番で、時々デニムのパンツがスカートだったりジャージだったり。
もっと気を遣えば可愛いのにと思う反面、飾らないそんな彼女も好ましいって思う。
やっぱり運命ってやつ?
……それとも、ただのべた惚れってやつか?
とりとめもなくそんなことを考えながら、次はブランコヘ駆けていく隆を追ってオレもブランコへ。
後ろから押してやると「わー!」なんて楽しそうな声を上げている。
あんまり強く押して隆がブランコから落ちたら大事。
力を加減しつつブランコを押すことしばらく。
「こんにちは。待たせましたか?」
低すぎず高すぎない声。
「千晶」
会えることが嬉しくて、すぐさま声のした方へ顔を向けた。
……なっ!
驚いて目を見開いてしまう。
清楚な白のブラウスに、女性らしいふんわりとした赤いスカート。
いつもの肉まんは乗っていない、大人っぽくハーフアップにまとめられた髪。
メイクのせいでいつもと違う桜色の唇は、ぷるんとみずみずしく見え、今すぐ味見をしてみたいと思ってしまう。
ヨレヨレのTシャツとデニムのパンツじゃない千晶。
もう、ギャップが凄すぎて……魅力的すぎる千晶にノックアウト寸前だ。
……千晶に惚れてしまっている時点で、もうノックアウトしてるようなもんか?
オレはニコリと微笑み、はんなりと口を開いた。
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