……あ、落ちた

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……たまにはこんな記事を読むのも悪くない。 あるあるすぎて共感してしまった。 ちらりと隆の姿を確認するも、例のみぃちゃんと楽しそうに積み木で遊んでいる。 今は……十八時十分過ぎか。 ……遅くとも十九時には来てくれる。 もう少しネットの中をウロウロするか。 高身長男子の悩みに貼られたリンクから、目についたサイトや記事に飛んで時間を潰していく。 ぼんやりと時間を潰すことしばらく。 「すみません!遅くなりました!」 低すぎず高すぎない女性の声。 意識せずとも、すんなりと耳に飛び込んできた。 みぃちゃんの母親? スマートフォンから目を離し、オレはその人へ目を向けた。 「お姉さん、遅い時間までご苦労様です。」 先生がにこやかに笑い、その人を出迎えていた。 「………!」 よれたTシャツの上に薄いロングカーディガンにデニムのパンツ。 とりあえず『外出るために、それっぽくカーディガン羽織ったよ』というようなオシャレ感ゼロな姿。 後頭部にまとめられた髪のお団子。 髪の毛が長いのか、団子というよりも肉まんのような大きさ。 そのまとめられた髪も、所々ほつれていて、身だしなみを整える間もなく慌てて保育園に向かったことがうかがえる。 化粧はしているのか? 化粧が崩れているようにも見えない。 ……もしやすっぴん? ……すっぴんなのだとして…… 赤く染まっている頬、桜色の唇、どんぐりみたいなくりっとした目。 少し目が大きいのかなと思うぐらいで、どこにでもいるようないたって普通な顔立ち。 そんな彼女は、幼い子供たちの姿を見て、ホッとした安堵の表情を浮かべた。 正直、女性らしさや男性を意識なんてしていない外見。 普通は魅力なんぞ感じない姿。 なのに…… オレはその安堵した様子の、彼女の姿に釘付けになっていた。 『オレ、この子と結婚する』 なぜかそんな予感を感じた。
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