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……なんだ?
……なんなんだ?
……どういうことなんだ?
オレの好きなタイプは、ボンキュッボンのスレンダー美女だろ?
それこそグラビアアイドルみたいな……
それに対して彼女はどうだ?
どう見ても胸はそれなり、ウエストはボンではないが、服のせいでキュッかどうかはわからない。
尻は………まあ、合格か。
それに、お世辞にも美女ではない。
美女というよりも、可愛いがしっくりくる。
ちんちくりん……は言いすぎか。
笑った顔はもっと可愛いんだろうな…。
年は同じくらいか?
年下と言われても違和感はない。
全くオレの好きなタイプとは違う。
………なのに、なぜだ?
彼女から目を離せない。
……男の本能か?
彼女に触れて、戸惑う彼女を腕の中に閉じ込めたい……なんて邪なことを思ってしまう。
「えっと…、あの…、お疲れ様です。えと……、たっくんのお迎えって……」
ああ、そうか。
いつもは十八時に迎えに来てすぐ帰るからな。
今は十八時半。
隆がこんな時間まで残っていることが気にかかったんだろう。
我が子でもない隆のことを気にかけてくれるなんて……
………本当に、優しい人なんだな………
出迎えた先生がオレへと視線を向けると、彼女もそれを追いかけるようにオレへと視線を向け、オレと目が合い……
どきんっ!
大きく胸が高鳴る。
……あ、落ちた。
素直にそう思えた。
……オレ、この子に落ちたわ。
目が合った瞬間に、オレははっきり自覚した。
彼女のこと、全く何も知らないし、外見も好みでも何でもないけれど……
何がきっかけなのか全くわからないけれど……
オレは彼女に………恋に落ちた。
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