おかしな子

疑惑

「――よく晴れる一日となり、今日の天気はポカポカ陽気になりそうです」

朝のニュースはさほど聞いていない。とりあえず大事なのは、今日の天気と時計代わりの時間、それから時々占い、という感じだ。

朝はとにかく忙しい。月曜日ともなると尚更だ。もっと早く起きればいいのだろうが、少しでも長く眠っていたいのだ。原因はわかっている。夜遅くまで猫のネット動画を見ているからである。だけど、これだけはどうしてもやめられない。寝る前の癒しは明日の活力源になるからだ。

それは社会人になった今でも変わらない。一人暮らしをしたかったのだけれど私の両親はちっとも許してくれない。どれだけ親バカなのか、とんでもない程の過保護であると、私も思っている。

実のところ、私の両親は本当の親ではない。今私は一宮(いちのみや)雫(しずく)と名乗っているが、以前の名前や両親のことは知らない。ただ、今の両親には子どもが出来なかったせいなのか、私を養子にして実の子どものように、ここまで育ててくれたことは感謝している。

私も甘えてしまっている部分はかなりあると思う。それにまあ、朝寝坊の心配がないというのは安心なのだが。土日に両親は旅行へ出掛けていたのだが、月曜日まででなくてホッとする。

とにもかくにも、寝ぼけ眼(まなこ)のまま一日のスタートである。