ステータスボード

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「謝るなら僕の方だ。年上なのに、何も分からないなんて」  そう言うと、リュウは首を横に振って言った。 「レイのせいじゃないよ・・・・・・それより、クエストをどうやってクリアするか考えよ。もしかしたら、クエストをクリアしたら帰れるかもしれないし」 「そうだな。少し考えてみよう」  そうは言ったものの、ゲームなんて、ほとんどやったことがないから、ステータスボードなんて全く分からない。どうしたものか。 「リュウ、気づいたんだけど能力の所にプルダウンない?さっきまでは、なかった様な気がするんだけど」  よく見れば、「導かれしもの」の下に小さな『▼』マークが付いている。 「本当だ。なんだろう?」  プルダウンをタップすると、そこにはこう書かれていた。  『【導かれしもの】が【導きしもの】の願いを叶えればレベルがあがる』 「え?」 「どうしたの?」  リュウは、僕のステータスボードを横から覗いていた。 「どういう意味なんだろう?」 「さぁ? そのままの意味だったら、僕がリュウの願いを叶えればいいってことになるけど・・・・・・その意味で合ってるのかな?」 「うーん、どうだろう。俺にも分からないよ。でも、試してみる価値はあるかも」 「リュウ、何かして欲しい事はない?」 「今のところ特にないかな」 「なんでもいいから。美味しいものが食べたいとか?! 何かない?」 「そうだねぇ。あえて言うなら、レイともっと仲良くなりたいかな」 「仲良く? どういう意味?」 「いや、特に深い意味はないし!!変なこと言ってごめん」 「いいって。それよりも、何かして欲しい事はないの?」 「うーん・・・・・・そうだねぇ、あえて言うなら、肩を揉んで欲しいかな」 「えっ、そんなことでいいの?」 「うん。ダメだった? 嫌だったら別にいいよ」 「いや、やらせてくれ。これでクエストクリア?したら、元の世界に帰れるかもしれないんだし」  僕は、リュウにソファーへ深く腰かけてもらうと、肩を揉んだ。 「お客さーん、凝ってますか~?」  僕がふざけて言うと、リュウは笑った。 「ちょっと、レイ。くすぐったいよ~」  しばらく肩を揉んだ後、僕達はもう一度ステータスボードを見てみた。 「ダメだ。変わってないや」 「そっか。何か違ったのかな。肩が凝ってたのは本当なんだけど」  悩むリュウを見て、僕は明るく話し掛けた。 「まあ、悩んでも仕方がないよ。他の手を考えよう」 「ん・・・・・・そだね」  僕達は、部屋に備え付けられていた風呂のシャワーを、それぞれ浴びると一緒のベッドで眠ったのだった。
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