けもの様1

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「創!どうしたの!?創!」 両親に名前を叫ばれている。 俺は放心状態でそこにいた。 ぽかんと口を開け、涎を垂らし、視線が定まらない。 ただ、ボーッと空を見つめていた。 母さんが揺さぶっても何も感じない。 親父が俺を呼んでも何も聞こえない。 同じ時刻。 俺は山を走っていた。 走っても走っても、どこへも辿り着かない。 いつまでも、けもの様が追いかけてきて、笑っている。 帰りたい! 帰りたいよお! 涙が流れた。 母さんが揺さぶる俺の目からも涙が溢れた。 でも、俺はそれを知らない。 永遠にこの山から出られないのかも知れない。 けもの様の「お迎え」というのがこれだったと知っていたら、俺はちゃんと22時までにお供えをしたのに。 今更後悔しても遅い。 誰か 助けて… -おわり- 【けもの様2に続きます】
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