親友

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sideᏚ 「母ちゃん、筑前煮作るって言ってたぜ!」 「マジか!大鷹の母さんの料理美味いんだよなー!今日も楽しみっ。」 僕の荷物は、母さんが出発の前に大鷹の家に運んでくれている。だから、このまま一緒に帰るだけ。 一緒に帰っていると、転校初日のことを思い出す。 初めての学校で、心細かった僕に大鷹が声をかけてくれたこと。そんな大鷹と、家が近所っぽいから一緒に帰っていたら、まさかの隣同士だったこと。おかしくておかしくて大笑いしたっけな。 「ふふっ‥」と、つい声に出して笑ってしまった。 「何笑ってんだよ、気持ちわりーなー。」 大鷹が驚いた表情でこちらを見ていた。 「気持ち悪いってひでーよな。ちょっと、昔のこと思い出してただけだよ。」 「えー!思い出し笑いってエッチなんだー!!奏楽くんのエッチー!」 口を大きく開け大笑いしながら大鷹は走っていった。 これが親友ってやつなのかなって思いながら、あとを追いかけた。
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