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ママとの別れ
「亮、明日から施設でママと離れて生活する事になったのよ。」
「ん?ママと離れる?いやだぁ。」
うあ~ん
僕は泣き出した。何でか、ちゃんと理解は出来なかったけど、ママの今まで見たことの無い、真剣な眼差しに、何かを察した。
「亮、ごめんね。ママ、絶対に絶対に必ず迎えに来るから、待っててね。約束。」
そして、僕と何度も何度も指切りをした。
僕はいつものようにママの温もりに安心して、抱き付くとママも、しっかりと僕を包み込んだ。
その日はママと、いつものように抱き付いて眠った。
朝になるとママは僕の洋服や身の回りの物を準備していた。
僕は、その場に立ちつくし、昨日ママに言われた事を思い出し突然、悲しくなって泣き出した。
うあ~ん、うあ~ん
何も言うことも無いけど、ただただ寂しい思いと、ママと離れるかもしれない不安と悲しみで、自分でも訳が分からなかった。
「亮、ママが昨日、言った事、覚えてる?」
うあ~ん
僕は返事もせず泣き続けた。
そしたら、ママが少し大きな声で、
「約束。」
そして、小指を出して、僕の目をしっかりと見つめた。
その眼差しに、僕は泣くのを止めた。
「亮、ママ、絶対に絶対に必ず迎えに来るから、良い子で待っててね。約束。ママも頑張るから、亮も頑張ってね。亮は男の子だから強い子だから頑張れるよね?」
僕は涙と鼻水を出しながら、
「うん。」
ママは「よし、強い子だね。」
そう言って、僕を強く抱き締めた。
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