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四ノ七
ヨユーで追いついてきた春馬が、アキレたようにタメ息をついた。
「そんなに怒んなよ。オレより年上のクセに。ホント、オトナゲねーよなぁ!」
……てか、オレ、けっこう大マタで歩ってたんだけど。
アッサリと横に並ばれるって……足の長さの差、ってか?
ザケんな、くそーっ……
ますますムカつくぜ、コイツ!
「ちょっとカラかっただけじゃんか。そんな、マジになんないでよ、咲夜さん!」
春馬は、バツが悪そうにアタマをかいて、
「アンタが、生徒会長なんかとイチャコラやってたから。ハライセのつもりで……」
「は!? 意味分かんねーよっ!」
「つーか……やっぱ、似てんなぁー」
急に目の前に立ち止まって、オレの顔をマジマジとのぞきこんでくる。
「血筋なんですかねー? 咲夜さんの叔母さんって、咲夜さんと顔だちが似てる」
「へっ? 目がオカシーんじゃねーの、オマエ」
「右も左も2.0だぜ。似てるってば、絶対! ソックリじゃん、目とか鼻とか口とかも……」
「オンナに似てるとか言われて、全然ヨロコベねーよ!」
オレは、春馬の肩にブラ下がった自分のカバンを引ったくり、
「ナメんな、クソガキッ!」
めいっぱい「イーッ!」と歯をムキ出して、社務所の裏の奥殿に走った。
「どっちがガキだか! くだらねーコトでキレんだもんなー」
と、背後から舌打ちが聞こえたので、余計にカッカとアタマに血がのぼった。
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