おときが死んだ

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おじさんの一家は、おばさんと女の子が二人の四人家族です。 女の子の名前はおのぶとおせんといいます。 おのぶは十才、おせんは八才、そして、おじさんに引き取られてお世話になっている、おときが六才です。  おじさんが言うには、親のいないおときは、働かないと食べていけないというのです。 つまり、仕事をしないと、おときはおじさんから、食べるものをもらえないということです。  おじさんの子供の、おのぶとおせんには、おじさんという親がいるので、おときのように朝早く起きて、水運びをしなくても、冷たい水で洗濯をしなくても、食べ物に不自由しないで、生きて行けるということです。  生まれた時から、お母さんの顔を知らないおときには、親というものが分かりません。  お母さんを思い浮かべて泣くことも出来ません。ただ、おじさんやおばさんの言うことを聞いて、一生懸命仕事をするだけでした。  おじさん一家が楽しそうに、団欒している時も、冷たい土間の片隅で泣くだけでした。
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