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「さて、最後は嬢ちゃんだ」
火の玉屋のおじさんは、最後に俺のご先祖様を呼ぶ。
「あはは。今年も会えたね。さぁお膝に乗せてね」
火の玉は俺の膝に乗る。
「この一年はどうだったい? もうすぐお兄ちゃんになるけど、心境の変化はあるかい?」
「ん〜。よく分かんない。ただ親父や母さん見てると、下のきょうだいできたら可愛いんだろうなって思う。二人とも一生懸命だもん」
「うんうん。瑠璃のときもそうだったんだよ? もしかしたら可愛すぎて瑠璃は親父さんみたいになっちゃうかもよ?」
「あはは。ないない。俺が親父みたいとか」
「そうかな? あると思うけどね。それと大切なことを一つ言うね」
「大切なこと?」
「うん。何があるか分からないけど、瑠璃は今年何か事件に巻き込まれる暗示が見える。そうなったときは慌てずに瑠璃に何ができるかを考えるんだよ? 僕はこれからもずっとこの宵宮で瑠璃に会いたいからさ」
「うん。覚えておく。ご先祖様の言うことだもん」
「良かった。じゃあ今年もみんなで宵宮をまわろうか。せっかくの夜だもん」
俺のご先祖様は俺の膝から降りて俺の手を引く。
「さぁ早く」
と・く・べ・つ♪6 おしまい
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