9人が本棚に入れています
本棚に追加
1-2.ユウトの苦労
スバルに誓いを立てた、その次の日の朝。
ユウトはいつものように自分の仕事場である、第二王子の執務室に向かいながらふわあっと大きな口を開けてあくびをした。ユウトは決してユキのように宮殿で暮らしているわけではない。王都には住まわせてもらっているが、やはり出勤時間に間に合わすためには朝早くに起きなければならない。ユウトも睡眠のために宮殿で暮らしたいと思うがこればっかりは仕方ない。ユウトは朝が弱いわけではないが、最近いろいろありすぎてきちんと休めていない。今度こそスバルに休みを申請しよう。
そう決意しながらユウトは執務室の扉を開けた。すると、もう見慣れた白銀の髪が目に入って笑みを浮かべた。
「おはようございます。ユキさん」
「おはよう。ユウト」
ユウトが入ってきたことを確認したユキはユウトの姿を見て目を細めて微笑んで挨拶をした。ユキは自分の机で書類の整理をしていたのか、山積みの書類を紐で綴じているところだった。対してスバルも自分の机で書類の確認をしていた。スバルはユウトの姿をちらりと確認した後、すぐに書類に目を戻した。いつも通りのスバルの反応にユウトは笑い、自分の机に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!