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紫色の眸が絶望に黒く沈む。
貫かれ揺さぶられていた体躯から、抵抗の意志が完全に消えた。
なさされるがままに貪られ、ウルジュが静かに瞬きすると、新しい涙が眸から零れ落ちる。
「……カル……どう、して……?」
──どうしてこんな事を?
幾度訊いたか解らない問いを、ウルジュは口にする。
腹心の友だと思っていた。幼い頃に出会ってから、学ぶ時も遊ぶ時も、いつもずっと一緒で。
ウルジュが騎士になったのも、カルマンが騎士になりたいと言い出したからだ。
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