二人の騎士

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 カルマンは静かにウルジュを見下ろす。  どうして、とは。愚かな問いだ。初めからお前は私のモノだったのに。 「……っ……あ……あ、あぁ……っ!」  身を深く裂かれながら、ウルジュは考える。主家とその家来。身分は違えど、友だと思っていたのに。親友だと。それなのに。  始めは抵抗した。その度に(しび)れ薬を使われた。  薬は食事に盛られていた。ウルジュは食べる事自体を恐れるようになった。  空腹と疲労で、眩暈(めまい)がする。もう、抗う事も出来ない。ウルジュはただ鳴くことしかできなかった。
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