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「……カル……もう、やめ……て、くれ……」
切なげに潤んだ眸で、ウルジュは懇願する。
嘘を言うな。こんなに喜んでいるくせに。
カルマンは責め入る手を休めずに、かつて友だった男を暴き続ける。
「……お前が悪いんだ。私を裏切った、お前が」
「……? 俺は……裏切って、なんか……ひ、っぐ……!」
「約束したろ? お前を副団長に任命してやるって。それなのに……」
カルマンの赤い眼がぎらついて、燃える。
それは憤怒のようでも、嫉妬のようでもあった。
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