26人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
二人の騎士
初めて出会った時から、こうなる事はきっと決まっていた。
「……あ、ぐ……っ! ん、んんっ……っ」
渇きにひび割れた唇から、くぐもった呻き声が漏れる。
もう幾度抱いたか解らない、堂々とした体躯は、ろくろく飯を食わないせいで少し痩せてきている。
鎖に繋がれて数週間、騎士の任を解かれた男は丸裸のまま、牢獄に転がされて。
毎夜、辱めを受けていた。
「……今夜は良く鳴くな、ウージュ」
「……カル……うぅ……は、ぐ……っ……ぁ……!」
汗と涙でぐちゃぐちゃに乱れた顔。精悍だった男の紫色の眸は、犯される度に光を失い、今は暗く濁っている。
男の黒髪を指先で梳きながら、もう一人の男は甘い睦言めいた声音で囁いた。
「……もうじきお前の処分が決まる。レスタベリ家は取り潰し……お前は……」
黒髪の男を犯している男は、赤い眼をうっとりと細めて告げる。
「……私のモノだ」
最初のコメントを投稿しよう!