二人の騎士

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二人の騎士

 初めて出会った時から、こうなる事はきっと決まっていた。 「……あ、ぐ……っ! ん、んんっ……っ」  渇きにひび割れた唇から、くぐもった(うめ)き声が漏れる。  もう幾度抱いたか解らない、堂々とした体躯(たいく)は、ろくろく飯を食わないせいで少し()せてきている。  鎖に繋がれて数週間、騎士の任を解かれた男は丸裸のまま、牢獄に転がされて。  毎夜、辱めを受けていた。 「……今夜は良く鳴くな、ウージュ」 「……カル……うぅ……は、ぐ……っ……ぁ……!」  汗と涙でぐちゃぐちゃに乱れた顔。精悍(せいかん)だった男の紫色の(ひとみ)は、犯される度に光を失い、今は暗く濁っている。  男の黒髪を指先で()きながら、もう一人の男は甘い睦言めいた声音で(ささや)いた。 「……もうじきお前の処分が決まる。レスタベリ家は取り潰し……お前は……」  黒髪の男を犯している男は、赤い眼をうっとりと細めて告げる。 「……私のモノだ」
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