私の家族を紹介するの。

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「メリルお嬢様。おはようございます」 「ぴゃ!?はふぅ。クラウスさん、おはようなのです」 朝ご飯を美味しくいただいていた時に、クラウスさんはちょっぴり意地悪さんなの。 執事長だからなのかな?厳格な老紳士だからなのかな? 私のちょっと緩んだ空気を察してすぐに突っ込んできていっつも驚かされちゃうの。 怒ってないです?大丈夫なのです!? 「──ふぇ」 「フフッ」 いきなりの沈黙には耐えられるわけがないの。 えと、クラウスさん今笑っていた、よね? 「お嬢様、本日のご予定は如何なされますか?」 「ん。えっと、そういえばお兄ちゃんは?」 「……ケイト様でしたらルーベラの森に遠征に出られましたよ」 私に質問してるのにケイお兄ちゃんの事情を聞くものじゃありません。そうクラウスさんのお顔に出てました。 きちんと答えてくれたけれど。 いつも真面目で怒っているのかな?って思っちゃう時もあるけれど、やっぱりクラウスさんは優しくって好きなのです。 「ちょっ、待った!勝手に出て行ったことにしない!」 「おや、お忘れ物ですか?」 「あーそうだよ忘れ物!愛しの妹に行ってきますの挨拶をしていないんだからな!」 「おやおや。では手短にお願いします」 「短くなんてしてやらん」 そして何故かケイお兄ちゃんにはとても厳しい。 パパの跡を継ぐからなのかな?やっぱり家主様って大変なのです。 ふれーふれー。ケイお兄ちゃん頑張れー。 「妹よ。頬にクリームがついて」 「ついてません。そんなはしたない真似、メリルお嬢様がするわけないでしょう」 んと、実はね、ウソなのです。これはね、本当に残念なことなんだけどね。 たまにね、夢中になって食べているとね。すぐにユーリがね、少し嬉しそうに拭ってくれるの。 「ケイお兄ちゃん」 「どうした愛くるしい妹よ」 「行ってらっしゃいなの」 ちょーっと長くなりそうな気がしたので、手短に挨拶。 ちゃんと言ったよ?気を付けて行ってきてね、ケイお兄ちゃん。 「ダメだ。やり直し」 「ふぇ?」 「もう一度。ちゃんと行ってらっしゃいの挨拶をしてくれ」 ふぇ?ちゃんとしたのってなに? 「さぁ、メリル」 ずずずっとお顔を近づけられましても、えぇと? 行ってらっしゃいって笑顔で、ね。ちゃんと出来ているよね? 大好きなお兄ちゃんが怪我したりしませんように、って。 「ほら、ここ」 ……ううん。ケイお兄ちゃん。それ、違うの。 行ってらっしゃいのちゅぅなんてしないの。大好きだけど、それは違うの。 「そーゆーのはお嫁さんにお願いしてみるといいの。でも、このままだと誰も来てくれないかもなのです」 「なっ!?」 シスコンこじらせちゃってたら、とーぜんお嫁さんなんて来てくれないよね。 仕方がないの。ぎゅってしてあげるから、頑張ってきてね。 「ふにゅ。ケイお兄ちゃん、行ってらっしゃい」 「へへ。最速で帰ってくるからな、メリル。行ってきます」 えへへ。あ。安全第一なのですよ、お兄ちゃん。
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