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ギルドは相変わらず人がたくさんいて賑やかなの。
色んな人たちが集まる場所。だから私のことを不思議に思う人だっているんだよね。
どうぞどうぞお構いなく。私もお仕事をしに来ただけなの。
ユーリ、相手しなくていいの大丈夫。いつものこと。気にするだけ無駄だもん。
「おやメリル嬢、お久しぶりですね」
「カイル君、久しぶりなの」
「急に来られなくなったので心配していましたよ」
「ふぇ、ごめんなの。だってね、パパとママが忙しくするんだもん」
「はは。あのお二人を止められる人はなかなかいませんからね」
うん。私のことを可愛い可愛いしてくれるだけじゃなくって実はスパルタだったりするの。
おかげさまでお兄ちゃんたちと一緒に私もたくましく育ちました。
えへへ。みんなが一生懸命応援してくれるから私もたくさん頑張れるの。
「久しぶりということでメリル嬢、実は貴女に昇級試験の案内が来ているんですよ」
「ふぇ?」
えっと、お仕事をしに来たのだけれど。
「シルバーからゴールドに上がれば受けられる依頼の幅も広がりますよ。あと一部の店舗で優遇してもらえたりしますね」
「美味しいスイーツのお店も?」
「何軒か協力してくれているところがありますからね」
「ん、やるっ」
強くなるの、大事。甘いものいっぱい食べられるようになるの、もっと大事。
「お嬢様、まず内容を確認してからでないと。旦那様達に叱られますよ」
「ふぇ。怒られるのはやなの」
たとえば門限を破ってしまったら。デザートが一週間なしになっちゃうの。
「ふぇぇ。だ、ダメなのカイル君。そのお話まだ進めちゃダメなの」
「ふふ。大丈夫ですよ、いつでもお待ちしてます。ちなみに試験は最短でも一週間ほどかかりますね」
「うみゅぅ」
一週間も。とりあえずパパとママにきちんとお話して。でもいいって言ってくれるかなぁ。
努力することには何も言われないけれど、お泊りは今まで一度も許してもらえたことはないの。聞くだけでも、ちょっと怖い。
うぅ。美味しいスイーツ、楽しみだったのに。
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