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お友だちと、学校と。
「メリルちゃんは好きな人っていないの?」
「ふぇ?」
んーと、みーんな大好きっ。
……なんて言ったらきっとクレアちゃんにすっごく怒られちゃうの。
分かってるよ。クレアちゃんの言う好きは特別な好きだってこと。
「んと、いない、かなぁ」
「そっか。メリルちゃんはまだなんだ」
「ふぇ」
えっと、まだ13歳だからって思うのはおかしいです?
もう、なのかな。女の子はやっぱりそういうのは早いものです?かもです。
でも、15歳で婚約、結婚とか普通にあるんだから、私ももっと考えていかないとなのかな。
うぅ、なんだかお腹が痛くなってくるの。
「えと、クレアちゃんは、いるの?」
「……うん」
「ふわぁ」
なんかね、クレアちゃんがすごいって思ったの。
たくさん遊んでやんちゃしたりもしてたけど、クレアちゃんは今はもう恋する女の子。
恥ずかしそうに、でもはっきりと答えてくれた姿が可愛くてかっこよくて、羨ましいの。
「今はまだ、片思い、だけど。いつかは」
「うん、うんっ。わたし応援するのっ」
「ふふ、ありがと」
いじらしいクレアちゃんがすごく好きっ。
って、えっと、私も恋したいの。してみたいの。できるかな?
めいっぱい好きって伝えてたくさん頑張って、大事に大事に可愛がってもらうの。
なーんてね。えへへ。
「まあでも、メリルちゃんの気持ちだけもらっておくね。とりあえずは自分の力で頑張りたいからさ」
「わかったの!」
好きな子との時間をもっとできるように、とか。
色々としてあげたいけれどお口チャック。りょーかいなのです。
絶対にお邪魔なんてしないよ?恋のキューピッドになりたかったなんてことは決してないのですよ?
「もし、メリルちゃんに好きな人ができたらさ」
「あい」
「お兄さん達にはしばらく黙っておいたほうがいいと思うよ?相手の子ボコボコにされちゃうかもしれないし」
「──ぅん。そーするの」
パパもレオお兄ちゃんもケイお兄ちゃんもきっと、いや絶対に。
みんなが認めるだなんてたぶん世界一強くならないといけないの。
普通の恋、できるかな。
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